らびっとクリニック院長の医療雑話

落語の楽しみ

投稿日:2018/11/15

最近1970−80年代の志ん朝の落語を聞いて夜更かししています。その昔高校生の頃文化祭の出し物で俄仕込みの「時そば」を体育館で演じたことがありました。たった一度きりの「高座」でしたがとても楽しい経験でした。

最近たまたま見たNHKのドラマ「昭和元禄落語心中」がとても面白くはまってしまい、原作の漫画を一気読み。それでも飽き足らずYoutubeで昔の落語を漁り見ています。江戸時代や明治の江戸っ子庶民のおかしいような悲しいような切ないような風俗がとても美しい。おかしさと哀しさが一体となっているからこそ愛おしいのです。数ある名人の中でも志ん朝が私は一番好きなのです。テヤンデェイ!

にせの痛風?ピロリン酸カルシウム沈着性(リウマチ疾患ミニ講座④)

投稿日:2018/11/15

痛風といえば、大酒飲みで美食家のかかる病気というイメージでしょうか?ある日突然足の親指の付け根がパンパンに腫れて、激痛で歩けない。大の男が、杖を使って泣きべそカキカキ来院するというような図で描かれることが多いと思います。本当は大酒飲みや大食家でもなく普通の若者や高齢女性にもありうる病気なのですが。

これと似た病気で、突然手や膝の関節が腫れて時に発熱する高齢者の病気があります。「偽痛風(ぎつうふう)」という病気で、関節の軟骨にカルシウムの血症が溜まって、ある日突然炎症を起こす病気です。急激な激しい関節炎の状態が、痛風そっくりなことから「偽痛風」と呼ばれますが、長引く関節炎を起こすような患者さんでは関節リウマチと間違えられることもあります。また時に発熱を伴うことがあるため、感染症と間違えられることも時にあります。さらに首の骨にこのカルシウム結晶が沈着して炎症を起こすと、激しい首と後頭部の痛みを訴えることがあり、髄膜炎などと間違えられることもあります(クラウンド・デンス症候群と呼ばれる)。X線写真で軟骨内に特徴的な石灰沈着像が見られ、関節液検査でカルシウム結晶を確認することで診断されます。リウマチ性多発筋痛症、RS3PEともよく似た発症の仕方をすることがあります。治療は消炎鎮痛薬が中心ですが、ステロイド注射が劇的に効くこともあります。

両手の甲がパンパンに腫れる関節炎(リウマチ疾患ミニ講座③)

投稿日:2018/10/29

RS3PE(アールエススリーピーオーと呼ぶ)症候群という聞きなれない疾患があります。スターウオーズに出てくるドロイドの名前のようですが、れっきとしたリウマチ性疾患の一つです。比較的珍しいと思われていましたが、開業してみると、高齢者の関節炎に以外に多く見られる病態であると感じています。

R=remitting(治りやすい)

S3=seronegative, symmetrical, synovitis,(リウマチ因子陰性で左右対称の滑膜炎)

PE=pitting edema(押すと窪んでむくんでいる)

上の英語の頭文字を連ねて、RS3PEとなります。この疾患は、関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症との見分けが難しいことがあり、時に悪性疾患の合併が見られることがあります。

少量の副腎皮質ステロイドで「治りやすい」のですがしばしば再発もあり、リウマチ薬の併用が必要なケースもあります。下の写真では手背全体が腫れていて、押したところに窪み(pitting edema)が残っていることが分かります。

リウマチ性多発筋痛症の治療(リウマチ疾患ミニ講座②)

投稿日:2018/10/22

リウマチ性多発筋痛症は決して珍しい病気ではありません。欧米では50歳以上の方では10万あたり700名以上いるとの報告もあり(0.7%以上)関節リウマチの患者数にも匹敵するほどです。本邦ではやや少ないとも言われていますが、今後超高齢社会がさらに進行するにつれてますます増えていく病気だと考えられます。

少量の副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン10−15mg/日)が著効することが特徴ですが、ステロイドの副作用(骨粗鬆の進行、感染症、糖尿病など)に注意が必要です。最近は関節リウマチで使用される抗リウマチ薬の有効性も報告されており、将来は治療内容が大きく変わっていく可能性もあります。

いずれにせよ、早期診断・早期治療が大切で、きめ細かいステロイド量の調整を行うことで日常生活能力を大きく改善さることができる疾患です。

 

高齢者のうなじ・肩周り・臀部・太ももの強い痛みとこわばり(リウマチ疾患ミニ講座①)

投稿日:2018/10/11

ーリウマチ性多発筋痛症ー

起床時に肩、腰が痛くて着替えられない、夜中に肩の痛みで目覚める、体がだるくて微熱がある、昼寝の後に身体中がこわばっている

50歳以上の壮年、高齢の方でこのような症状があった時に、私たちリウマチ医はリウマチ性多発筋痛症を疑います。

リウマチといっても関節が腫れて関節変形をきたす「関節リウマチ」ではありません。

関節リウマチとの一番大きな違いは、リウマチ性多発筋痛症では基本的に関節炎はなく、関節周囲のクッションにあたる滑液包と言う場所に炎症を起こす点です。

時にこの病気は、太い血管の炎症(大動脈炎)を合併することがあり、脳の太い血管に炎症が起こると、稀ながら脳梗塞の原因にもなることがあるので早期に正確に診断することが大切です。

血液検査が最も重要で、赤血球沈降速度(血沈)、CRP上昇を伴っていることがほとんどです。

「レントゲン写真で異常がないので五十肩と診断された」、「リウマチ因子が陰性でリウマチではないと言われた」、「加齢に伴う変形性関節症と診断された」という方々の中にこの病気が見逃されている可能性もあるので、気になる方はリウマチ科でぜひ検査を受けてみてください。

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分類基準(米国リウマチ学会/欧州リウマチ学会2012年暫定基準)

50歳以上で両肩の痛みと炎症反応上昇(CRP、赤沈)がある患者で、

1)45分以上の朝のこわばりあり(2点)

2)臀部の痛み可動制限あり(1点)

3)リウマチ因子、抗CCP抗体がともに陰性である(1点)

4)末梢(手や足)の関節痛がない(1点)

上記合計点が4点以上でリウマチ性多発筋痛症に分類する

(超音波の所見を加味する場合もある)

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秋雨の同窓会

投稿日:2018/9/9

私が香川の大学を卒業して医者になったのは昭和63年。昭和の最後の春の卒業生の一人です。

今日99日に30年目にして初めての同期生の同窓会が高松であり、参加してきました。卒後すぐに母校を離れた私にとって、殆どの人とは30年ぶりの再会で、最初は誰かわからない人が多かったのです。ただ宴も進んで会の終わりに近づくと名前や当時の姿のままに記憶が戻ってくるのが不思議でした。

30年経つと亡くなった同窓もいれば難病と闘っている友人もいます。近況を聞くことは懐かしさと悲しさの入り混じったなんとも言えない感覚でした。

一次会がおわり、そこで多くの人が去り、二次会でも時間を追うごとに一人去り、二人去り。人生の舞台の退場もおそらくこのようなことなのかと思いながら、私自身も帰りの飛行機の時間に合わせて途中退席させて頂きました。握手という挨拶のありがたさ 。「またいつか」という言葉のありがたさ。後に残る友人の場が雨の夕刻に、なお湿りを増す気配も感じながら…

雨の少ない香川では秋雨は農家にとっては貴重な潤いです。同窓会の雨が、すでにラストコーナーを回りつつある我々走者の一人一人にとっても潤いの一雫なることを祈りながら。

9月の掲示板

投稿日:2018/9/4

不眠は大変辛いものです。ただ睡眠導入薬やいわゆる「安定剤」(抗不安薬)などに安易に頼ることは避けたいものです。

多くの睡眠導入薬はベンゾジアゼピン受容体作動薬といわれ、時に依存(やめにくくなること)や健忘(薬を飲んだ後の行動を覚えていないなど)、ふらつき・転倒などの副作用が出現する事があります。まずは規則正しい生活習慣や運動、睡眠前のリラクセーションを試みてみましょう。そして何より「眠らなければ大変だ」と過剰な不安に陥らない事がとても大切です。

 

ちょっとだけ避暑ー龍王峡

投稿日:2018/8/11

8月9日から8月16日まで夏休みをいただいています。

8月10日に、日光国立公園の龍王峡でハイキングをして来ました。鬼怒川でなんちゃってカヌーも体験。

犬も私もずぶぬれ。

 

8月掲示板

投稿日:2018/8/11

暑い暑い夏です。みなさん、熱中症に気をつけてください。

でもクーラーの効いた室内でじっと動かないでいるのもお勧めできません。

涼しい場所で無理のない体操を続けてください。心と体の体力維持に日々の運動が役に立ちます。

笑顔の力

投稿日:2018/7/4

生まれつきの能天気が笑いを発生させるのではなく、苦しい境遇からこそ上手な笑いが発明されるのではないか思うことがあります。先日、落語の歌丸師匠がお亡くなりになりましたが、晩年の師匠が酸素を吸いながら高座を演じる姿は笑いの対極の姿のようでいて、実のところ死を笑いにする究極の芸であったのかもしれません。「なに、あーた、お陀仏なんてこたー、てーしたことじゃあございません」てな具合に。先日のNHKスペシャルでは軽やかな江戸っ子気質は、繰り返し江戸の町を焼き尽くした大火災が生み出した文化なのだとも。太宰治の小説の中でも同じようなこと言ってましたね。滅びの中の明るさといったことを。

笑顔を作るにも努力が必要です。苦しいからこそ軽やかに笑う。慢性痛に苦しむ人の笑顔に逆に励まされることも少なくありません。

 

何故らびっと? Concept 院長ブログ 医療雑話 クリニックからのお知らせ Doctor's Fileにて紹介されました
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