坂本龍一さんののどの病気をニュースで知った。少し前に忌野清志郎さんがやはりのどの病気で亡くなった。二人とも原発に力強く反対していた。高校生の頃から二人の曲は大好きだった。私も原発はなくすべきだと思うし、今の日本の政治の動きは間違っていると思う。
矢野顕子さんの「ひとつだけ」を聞いていると、忌野清志郎さんがうたうパートで何ともいえない切なさが込み上がってくる。私は恥ずかしながら「切ない」音楽がとても好きなのだ。忌野清志郎、坂本龍一、レッドツェッペリンでさえ曲によってはとても切ない。
「けれども今気がついたこと とっても大切なこと 一番楽しいことは 君の口から君の夢きくこと 離れている時でも 僕のこと忘れないでいてほしいよ・・・」
(「ひとつだけ」矢野顕子作詞作曲、2006年「はじめてのやのあきこ」からの引用)
この部分を聞くと涙が止まらないのだ。いったいどうしたというのだ?
外来をしていると多くの患者さんの語る話はとても切ない。肉親の病気、配偶者の死、子供の不登校、自分の体の痛み・・・こうした患者さんの話に共感することはとても心のエネルギーを使う。・・けれどもそれが「とっても大切なこと」だと気づく。患者さんの口から患者さんの希望を聞くこと。それが一番楽しいこと。