慢性疼痛は非常に複雑な病状です。単に痛みのある局所だけに問題があるのではなく、痛みを感じている脳の中で誤作動が起こっていることが近年わかってきました。ある意味では慢性疼痛は脳の病気といえます。しかし脳の手術や向精神薬でこの痛みが消えるわけではありません。長期間持続する痛みはもはや感覚だけの問題ではなく、痛む人の人生の一部となっていることが多いのです。したがって慢性疼痛を克服するためには、悲しみや怒りや不安ではなく、喜びや平静や安心が心を満たすことによって、つまりは脳が健康になり、人生が豊かになっていくことによって、ゆっくり痛みは消えていくのです。
投稿日:2016/7/28