長崎の友人に会うために、朝5時に起きて、8時過ぎの羽田発の飛行機に乗りました。
稲佐山を見上げながら、昼食の中華料理を楽しみました。山の中腹あたりまで住宅が密集していて、私が「高い場所の方が人気があるの?」と尋ねると、「いや逆かな。山の上の方に住んでいると、年取ってたいへんなんだよ。救急車も入れないとこもあるしね。」
私たちは80年代を四国高松で過ごし、二人ともブリティッシュロックが大好きでした。いつもセンスのいい彼が「ちょっとこの曲がかっこいいよ」と教えてくれていました。週末に彼の下宿で小林克也の「ベストヒットUSA」を見せてもらうのが楽しみでした(うちにはTVがなかったので)。
「どうして中年になると「懐メロ」ばかり聴くようになるんだろうね」
「そうそう。最近iTuneでダウンロードしたものはみんな80’sばかり。デュランデュランとか、エコー&バニーメンとか」
「僕は、娘と一緒に椎名林檎のコンサートに行ったりするよ」
「親子で趣味が似るのかな」
「そうだね。似ているね。」
「子供の年を考えると20年もたったんだと思う。あっという間だな」
友人と駅前で別れた後、大浦天主堂とグラバー園を一人で回ってきました。
英語と韓国語と中国語と関西弁が飛び交い、静寂と雑踏が交わり、200年以上強い意志で信仰を守った潜伏キリスト者に感嘆し、幕末のスコットランド人と日本人との交流に驚き、初夏の海辺は蒸し暑く、日陰に入ると海風がひんやり涼しく、ああなんて素敵な場所なんだと。素敵な時間なんだと、そう思ったのです。