10月4日、日本線維筋痛症学会参加
最近のトピックスとしては脳イメージング(fMRI)を用いた研究が話題らしい。線維筋痛症(FM)は脳内ネットワーク障害ととらえられる。デフォルトモードネットワークという「安静時に活動する脳内ネットワーク」の機能異常がFMにおいて見られるとのこと。FMの関連病態である慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎(CFS/ME)では脳内の免疫に関わるミクログリア細胞が活性化しているとのこと。FMおよびCFS/MEを脳内の免疫異常、ネットワーク障害から理解しようとする試みが今後の研究においては中心的なアジェンダとなるのだろう。全身性労作不耐症(systemic exertion intolerance disease:SEID)という新しい概念が米国医学研究所(IOM)から提唱されているとのこと。この大きな概念の中にCFS/MEやFMも将来的には吸収されていくのかもしれない。FMの疾患概念にとらわれすぎると問題の本質(脳のネットワーク障害)を見失う可能性がある。治療としてはプレガバリン、デュロキセチンの話題が中心であった。しかし運動療法、認知行動療法、統合医療(東洋医学、ヨーガなど)も重要な治療手段である。
10月10-12日 日本リウマチ学会関節超音波検査講習会アドバンスコースに参加
肘、肩、股関節、足の関節エコーの実地トレーニングと解剖学的な復習。リウマチ性疾患のエコーを用いた鑑別のレクチャーなど盛りだくさんの企画だった。実際のエコー技術をブラッシュアップするための講習会で大変勉強になった。参加したリウマチ医は圧倒的に若い人が多く、講師もまた40歳前後の大学の准教授、講師が担当しており新しい分野でありながらも大変活気のある勉強会だった(アラフィフの私は年寄りといってよい)。エコーは何よりも診察室でリアルタイムで関節や腱鞘、滑液包などの炎症が確認でき、患者とその情報を共有できる稀有な診断ツールである。リウマチ医にとっての「聴診器」にあたる道具だと感じた。