らびっとクリニック院長の医療雑話

関節リウマチの新薬ラッシュ

投稿日:2013/7/18

また新しいリウマチ薬の新薬が発売されます。この10年の間で7つの生物学的製剤に加えて低分子リウマチ薬としてレフルノミド、タクロリムス、イグラチモドが市販され、今月末にはJAK阻害薬といわれる新たな機序のリウマチ薬が登場します。
この怒涛のようなリウマチの新薬ラッシュを10数年前には、多くのリウマチ医さえ想像もしなかったことです。

私が2003年3月にNIHを離れる時、当時ポスドクとして勉強させていただいていたラボのボスが「この薬は数年後には白血病に使えるようになりさらにはリウマチの治療に使えるはずだ」と送別会で言っていたことを思い出します。彼はJAK3の発見者Dr. O’Shea。「この薬」というのが今度発売されるJAK阻害薬、トファシチニブのことでした。

ほらばなしかなと思いながら聞いていましたが、白血病の薬にはならなかったものの、本当にリウマチ薬になってしまいました。しかも非常に強力な薬のようです。歴史の一場面に居合わせたというのは大袈裟ですが、ほんのわずかでも創薬の一場面に立ち会えたことを大変嬉しく思いました。もちろんその新薬が本当に重要な薬として歴史を作るかどうかは今後の市販後調査結果を注意深く見ていかなければなりません。

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