らびっとクリニック院長の医療雑話

脳内劇場の演出家(ちょっと意味不明)

投稿日:2014/6/26

中野信子氏の「脳内麻薬」という本を読んだ。新書で読みやすく半日で一気に読み切ってしまった。快楽物質ドーパミンを巡って、様々な依存症の共通点を解説している。

依存物質がタバコであってもアルコールであっても、物質ではない買い物やギャンブル、恋愛までがドーパミンを介して人を虜にさせる。脳にとって気持ちのいいことはすべからく依存に繋がる危険を有している。一方で、この快楽物質こそが人間が活動的に生きるために強力な推進力を与えてくれる最強の物質でもある。

脳の中でドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質が絶妙なバランスで人の心の情動を操っている。医師は薬を使うことでこれらの神経伝達物質を調整しながら、うつや不安や興奮や慢性疼痛などの複雑な症状をコントロールしようと試みる。しかしながら現状の薬物治療は完璧ではない。不安定なシーソーのバランスをとるような注意深さが必要である。一方、有酸素運動や瞑想や前向きな気持ちや幸福な会話や信じる心やとらわれない心などは、この微妙な調整を一気にうまくやり遂げてしまうことができる(ときどきではあるが)。「優秀な」医師はこれらをプラセボと呼んで一笑に付すかもしれない。私はEBMを否定しているのではない。薬物治療の困難を感じるときに太古の時代の「医師」が用いてきた手法をまねしてみたいとも思うのだ。今我々がEBMと読んでいるドグマが100年先の時代には時代遅れの「統計もどき」と呼ばれているかもしれない。時代とともに移り行く仮想ドグマは何千年も変わらない太古からの癒しの術にしくはない。

何故らびっと? Concept 院長ブログ 医療雑話 クリニックからのお知らせ Doctor's Fileにて紹介されました
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