関節リウマチの発症に喫煙が深く関わっていることは有名です。また線維筋痛症患者の痛みも喫煙者の方が重篤で機能障害が大きいことが知られています。
当院で禁煙外来をする理由は、癌や生活習慣病のみならず、喫煙が痛みやリウマチ性疾患の発症に関わっているからです。
禁煙治療は一種の認知行動療法です。禁煙補助薬を使用しますがそれだけで成功することはなく、本人が喫煙という行動に繋がる習慣や認識をコントロールし目標に向かって行動変容を促していく作業です。
ですから禁煙の成功は薬以上に、モチベーションをいかに維持させ励ましてゆくかという点に大きく左右されるように思います。
慢性疼痛でも薬の治療だけでは成功しないことがほとんどです。慢性疼痛には認知と行動の歪みが背景にあると考えられています。(もちろんそれだけが原因ではありませんが)
禁煙治療や慢性疼痛治療は患者自身が自ら実践しなければ治療は良い方向に進みません。認知(状態を客観的にとらえること)と不適切な行動(喫煙行動や痛みを悪化する行動)を修正し適切な行動(適切な運動やストレスのコントロール、リラクゼーション)を習慣化する作業の繰り返しの中でゆっくりと病状は改善していきます。