らびっとクリニック院長の医療雑話

研究会メモ(城北線維筋痛症研究会)

投稿日:2015/1/18

2014.1.14 ホテルメトロポリタン池袋で開催された城北線維筋痛症研究会に参加

九州大学医学部心療内科 細井昌子講師の講演からの抜粋メモ

・痛みの定義:言葉を使って述べられる不快な情動体験である

・痛み治療の阻害因子として患者のパーソナリティ、行動パターン、生活歴の理解が必要

・痛みはカフェオレに例えられる。ミルク=痛みの感覚情報、コーヒー=不快情動

両者は一体となって分かち難い。(痛みは「感覚」であるだけではなく「情動」でもある)

・難治性線維筋痛症患者におけるアレキシサイミアと過活動性

不快記憶や感情のフラッシュバックから逃れるために過剰な活動に没頭することから疲労困憊してしまう(不快なスクリーンセイバー画像を消し去るために常に端末作業を続けるようなもの=スクリーンセイバー仮説)

・自分自身の不快感情を閉じ込めて気づかない(アレキシサイミア)

・何もしていない安静時の脳の活動=デフォルトモードネットワーク(DMN)と痛みの関係

線維筋痛症患者では疼痛知覚に関与する「島」という領域とDMNとの接続が強いことがわかっている。(線維筋痛症は安静時においてさえ疼痛知覚の警戒レベルが高いということか?疼痛知覚に対するDNMの過剰な活動が疾患と関連するのかもしれない。)

・瞑想やマインドフルネスの手法がDMNを健常モードに近づけて行く可能性もあるらしい。線維筋痛症においても瞑想は有効とのこと。

(補足)

デフォルトモードネットワーク(DMN):安静にしている時(非睡眠時)に活動している脳の領域で、脳が使用する全エネルギーの75%がここで消費されている。意識的脳活動に対しては5%以下のエネルギーしか使用されていないとのこと。(ぼんやりしていることのほうが「生産的」なのだ!)線維筋痛症患者でみられる著しい脳の疲労感は、この何もしていない状態のDMNの過剰な活動とも関連しているのではないだろうか?

慢性疼痛の理解のためには脳科学(ニューロサイエンス)の最近の話題にキャッチアップする必要性があることを痛感した次第です(感想)。参加した研究会や学会のダイジェストをときどき報告したいと思います。

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