らびっとクリニック院長の医療雑話

日本リウマチ学会参加(福岡)

投稿日:2017/4/27

しばらくご無沙汰でした。ブログは一度途絶えるとなかなか再開するのがしんどいものですね。気のきいた話題を探そうとするとなおさら書けなくなる。今年度は、ちょっとしたテーマでもできるだけこまめに発信していきたいと思います。

先週末(4/22, 23)、福岡で開催された日本リウマチ学会総会に参加してきました。1年ごとに知識のブラッシュアップのためアニュアルコースレクチャーを聞くことにしています。

①関節リウマチ最新治療に関しては、生物学的製剤とともにJAK阻害薬の注目度が高くなってきているようです。飲み薬でありながら生物学的製剤やメトトレキサート同等かそれ以上の効果と安全性が確認され、今後の使用機会が増えそうです。

②妊娠中や授乳中の関節リウマチの患者さんに対する生物学的製剤の経験も増えてきています。エタネルセプトやセルトリズマブは妊娠を希望する関節リウマチの患者さんに対して安全な選択肢となります。

③足の変形予防は、関節リウマチの患者さんにとって切実なテーマです。早期からのインソールの工夫で変形防止を取り組む必要があります。日本人の固有の着物文化が外反母趾予防に有効とのこと。足袋を履く女性(最近は絶滅危惧では?)が外反母趾になりにくいのだとか。

④リウマチの最も重要な基本薬メトトレキサートをより安全に使用するための、感染症スクリーニングの重要性やリンパ増殖性疾患に対する細かい注意が必要という話題

⑤リウマチ患者で見られる感染症に関するレクチャー

⑥医療経済の話題。生物学製剤は高価ではあるがどのように使うことで、より必要な患者により有効に使用できるか。

毎年確実に参加者も増えリウマチ学会はどんどん大きくなってきているようです。リウマチ医療に関わる医療者が増えることは研究と臨床力の底上げのために大変喜ばしいことです。新薬の話題も重要ですが、足の変形予防など地味な話題ながら患者のニーズに寄り添う教育講演もとても大切な取り組みだと感じます。自分自身もアップデート、アップデート。

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