らびっとクリニック院長の医療雑話

恩師の言葉

投稿日:2015/7/12

1993年の秋、東京女子医大膠原病リウマチ痛風センターでリウマチ膠原病研修を始めた頃にお二人の恩師に巡り会えました。そのおひとかたは当時の膠原病リウマチ痛風センター所長で、もうひとかたの恩師は病棟で直接指導を受けた当時助教授だった先生です。私が四国から上京する事を決めたのはこのお二人の恩師に巡り合ったからに他なりません。私は多くの知識を学びましたが恩師から教わった事は知識だけではありません。むしろ多くの知識はその後の新しいパラダイムの中で修正されたり消えたりしましたが、恩師から学んだ医師としての生き方や患者に対する「思い」についての言葉は時間とともにむしろ意味が明確になり、私自身の骨に吸収されてきた事を感じます。

所長の言葉は「天涯諸諸芳草有り」(どこにいても素晴らしいものを見つける事ができる)。そして助教授の教えは「何があっても大丈夫」。どんなに厳しい状況の患者にも「大丈夫よ」を繰り返した先生は私たちにとってドラクロアの絵の自由の女神のような頼もしい司令塔でした。

昨日久しぶりに講演会でお会いした恩師と当時の懐かしい思い出を語らうひと時があり、私はしばらく忘れていた「大丈夫(・・根拠はないけど)」の言葉にハッとしました。患者を治療する「言葉のお薬」として「大丈夫」をいつも処方されていたのだという事に気付いたのです。まだまだ恩師の教えが骨に吸収されたなどとはおこがましい。

あの当時の恩師の年齢になった自分の年齢に気付いてもう一度ハッとしました。

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