らびっとクリニック院長の医療雑話

医療ロボットの人工知能が未来の医療崩壊を救う?

投稿日:2014/6/17

チェスと将棋の世界では既にコンピュータソフトがプロを凌ぐ力をつけているそうです。人工知能自身が大学センター試験を受験して、近い将来ロボットの東大生が誕生するかもしれないという話も聞きます。最近ソフトバンクが人と会話できる20万円弱の低価格ロボット「Pepper」を販売するというニュースも飛び出してきました。

いずれそのうち人工知能がこれまで人間だけの聖域と思われた領域において、人間以上に有能かつ低価格で働くような日が来るのでしょうか。

医師の仕事のなかでは、診断と治療計画の領域が、おそらく最も早く人工知能の仕事に置き換わっていくように思います。病院に来る前に患者はインターネット上の診断プログラムに自分の症状を入力し、データを医師に送信する。医師は診断ソフトが出した鑑別診断のリストを見ながら、絞り込みのために必要な検査をオーダーする(人工知能の勧めに従って)。またソフトウェアの指示に従って診断に必要な理学所見を確認する。このような人工知能が瞬時にアクセスできる世界中のエビデンスと推奨から、最も安全で安い検査を行っていく。診断の誤診を予防できるし無駄な検査による医療費の浪費も防げるかもしれません。医師不足の現場や指導医の少ない地域の医師教育にも役に立つ様な気がします。

医療面接と検査計画および治療計画を人工知能が行い、その指示に従って医師が患者と接する。完璧なソフトウェアが出来たならば、医師の役割は現在の形とは全く違ったものになるに違いありません。

20XX年、ロボットのDr.Pepperが病院のあらゆる場所で活躍し、研修医がその指示に従って患者対応し、生身の医師は患者さんとおしゃべりをするだけ。その会話内容は人工知能が記録・解析し今後の治療方針をたてる。というような世界。医師は本来の癒し慰める行為を行う患者マネージャーに特化してゆく、いやひょっとしたらその領域でさえ、感情を備えた人工知能の方がよほど「人間的に」患者の気持ちによりそうことが出来たりして・・・

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