らびっとクリニック院長の医療雑話

ご無沙汰しておりました。ブログ再開いたします。

投稿日:2012/7/14

暑中お見舞い申し上げます。

皆さん、ご無沙汰しておりました。5月からしばらくブログ記載をお休みしておりましたが、またぽつぽつ再開したいと思います。出来れば月2−3回を目標に日々の雑感や経験を書いて行きたいと思います。

よろしければ、メールで(info@rabbit-clinic.jp)にフィードバックいただけると嬉しいです。

さて寒い2月に開院してあっという間に半年を過ぎてもう真夏です。らびっとクリニックの診察室では2台のPCの発熱のために足元に熱気が立ち込めて患者さんにもご迷惑をおかけしています。ただ関節痛の方が多いので冷房も強くできないので困っています。でも冷房は本当に関節炎に良くないのでしょうか?

天候と関節炎の関係について検索すると、いくつかの臨床医学論文がヒットします。たとえば1985年から2003年4月までPubMedデータベースを用いて行ったシステマティックレビューでは(J Rheumatol. 2004 Jul;31(7):1327-34.)高湿度が関節リウマチの症状悪化に関連しているとか、別のシステマティックレビューでは「気候とRAの関係はあるかもしれないけど、どうもはっきりしない」というものも(Eur J Pain. 2011 Jan;15(1):5-10. Epub 2010 May 31.)。低気温、低気圧が変形性関節症の症状悪化に関連しているという報告(スペイン:Proc West Pharmacol Soc. 2004;47:134-6.)や「RAでは気温と気圧が、OAでは気温と雨と気圧が関連し、線維筋痛症では気圧が関連する」(イスラエル:Ann Rheum Dis. 1990 Mar;49(3):158-9.)というのもありますが、いろいろな国の気候の違いを考えると結局のところよくわからないという印象です。気候は国や地域ごとで多様であるため、こうした臨床研究はシステマティックレビューによる解析にはなじまないのかもしれません。

ともあれ高温多湿の日本の夏は関節炎の方に不愉快な季節であることは間違いないようです。あまり気温を下げすぎず除湿して厳しい夏を乗り切りましょう。

何故らびっと? Concept 院長ブログ 医療雑話 クリニックからのお知らせ Doctor's Fileにて紹介されました
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