らびっとクリニック院長の医療雑話

「見える」痛みと「見えない」痛み

投稿日:2013/4/7

さて痛みに「見える」、「見えない」という区別は相対的なもので、比喩であることはいうまでもありません。時代と共に医師や生命科学者達によってなんだかよくわからない病気を様々な方法によって可視化することができるようになったわけです。画像検査(CT MRI PETなど)が痛みの局在と性状を目に見えるようにしました。血液検査や生理学検査が病気の存在と活動性を教えてくれます。
線維筋痛症は「見えない」痛みと言いましたが、最近ではfMRIという方法で脳での病気を形作っている場所をおぼろげながら浮かび上がらせてくれるようになってきました。おそらくは数年先には脳科学の分野から線維筋痛症の病態解明に新たな光が届くのではないかと思います。

幽霊の正体見たり枯れ尾花
正体が見えてみればなあんだということになり、痛みがすっと消えれば良いのですが、本当は正体が見えてからまだまだ先が長いことは医学に限らず様々の分野の科学の歴史が示す通りです。そしてどこまで行っても見えない領域も残る。(そしてそれが本当は大切なことだったりもする、 サン・テグジュペリの言うように…)

さて「見える痛み」の方のハルコさんのリウマチ性多発筋痛症の話も追加しておきましょう。
ハルコさんはプレドニゾロンの内服によって確かに良くはなったのですが、少し不安も残っています。それは持病の糖尿病がこの薬を飲み始めてからややコントロールが悪くなってきたからです。

次回からこの、特効薬でありながら問題も少なくない副腎皮質ステロイドの話に移ることにしましょう。

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