らびっとクリニック院長の医療雑話

「この痛みの原因は何でしょうか」

投稿日:2014/7/27

痛みの原因を一つに求めることは難しいのです。痛みは大きく分けて、①侵害受容性疼痛②神経障害性疼痛③非器質的疼痛に分類するのが一般的です。

①侵害受容性疼痛とは体に痛みの原因となるような物理的・化学的な刺激でおこる痛み。ものにぶつかって痛い、骨折して痛い、関節が炎症を起こして痛いなど。痛みを起こす刺激と結果としての痛みが直結しているので最も一般的に理解されやすい痛みの原因といえます。

②神経障害性疼痛。最近よく耳にするようになりました。製薬メーカーのコマーシャルでもときどき聞かれます。「びりびり」、「ちくちく」、「じんじん」という言葉で表現されることが多い疼痛です。帯状疱疹後の神経痛、腰椎椎間板ヘルニアで経験する坐骨神経痛、三叉神経痛、糖尿病の神経痛などがこの痛みのグループに入ります。これらの痛みは画像検査や神経生理学的な検査ではっきりすることも多いですし、最近は簡単な問診票で鑑別も可能になってき合います。整形外科や神経内科で診断されることが多い疼痛です。

③非器質的疼痛というものが理解しにくい疼痛です。以前は「心因性疼痛」という言葉も使われていましたが、「心の問題」ととらえることで様々な誤解を生じることが多いため最近では非器質的または(中枢)機能性の疼痛といわれることが多いようです。このグループに慢性疼痛といわれる病気が多く含まれます。線維筋痛症はこの非器質性疼痛の代表的疾患といえます。

痛みの原因は複合的です。解剖学的な異常が確認しやすい①と②は一般の人にも医師自身にも理解しやすいのですが③の非器質性疼痛を理解するためには患者さんの言葉を注意深く聞いていくことと患者さんを基本的に信ずる心が大切だと感じます。中枢機能のトラブルでおこる痛みは最新のテクノロジーよりも数千年前から医師が用いてきた「問診」の力のほうがまだまだ有用で、この辺りが医師の「修行」のしどころでもあるわけです。

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